体調不良で筋肉は落ちる？｜対策とマインドセット

本ブログはそんなパーソナルジムでの仕事をしていく中で、お客様からいただく疑問やお悩みについて解説していくことを目的に日々ダイエットや身体にまつわるあれこれを発信しています。

今回のテーマは　体調不良で筋肉が落ちるのか　についてです。

最近は時期を問わず風邪やコロナなどの様々な病気が流行しています。
ひとたび体調不良に陥ると食事管理やトレーニングが上手くいかなくなり、それをストレスに感じる人も多いでしょう。

そこで今回は体調不良によって筋肉が落ちるかどうか、対策やマインドセットについて解説していきます。
この記事を読めば万が一の体調不良時にも落ち着いて回復に集中できるでしょう。

体調不良で筋肉が落ちる要因

熱心に体づくりをしている人ほど体調不良時の「筋肉が落ちるのでは…?」というメンタルへのダメージは深刻でしょう。

結論、残念ながら体調不良時に筋肉が落ちる可能性はあります。
とはいえ体調不良中の対策や復帰後の立ち回り次第では筋肉の減少を最小限に抑えつつ早期に元の筋肉量の戻すことさえも可能です。

ここからは体調不良による筋肉量減少の原因をピックアップします。

①筋トレの中断

当然ながら体調不良時は筋トレを中断せざるを得ません。
筋トレは身体に「筋肉がないと環境に適応できませんよ」というシグナルを送らせる作業なので、その作業がなくなると筋肉が落ちる可能性が高まります。

ただし、3週間程度までであれば明確に筋肉量が減ることはないという研究も数多くあるのでインフルエンザや軽い風邪などで1週間筋トレができないという程度であれば筋トレができないことによる筋肉量の減少はないと考えて良いでしょう。

なお、筋トレをしないとすぐに身体が萎んだ感覚になりますが、それは筋肉へのダメージによる保水（＝むくみ）がなくなることによるものなので筋量とは関係ありません。

①長期にわたる筋トレ中断は筋肉が落ちる可能性はあるが3週間程度は大丈夫。
②筋トレ中断後すぐに感じる縮んだ感は水分量の減少によるもの。

②栄養不足

体調不良時は発熱や消化器官の能力低下の発生に伴い、食事量が減ったり栄養バランスに偏りが生じることで筋肉が落ちる可能性があります。

特に発熱を伴うケースでは一時的に基礎代謝が大幅に上がるため、食事量が少ないと体脂肪や筋肉からエネルギーを取り出そうとする作用が強くなり、筋肉が落ちるリスクを高めます。
※発熱時の代謝変化についてはこちら

また、発熱は消化器官の働きを弱めることもあるので食欲不振や便秘などの症状も併発する可能性があります。
こうした消化器関係への影響があるときは無理に食べようとすると体調を悪化させるので要注意です。
まずはおかゆや白身魚など、消化しやすい食品から摂取するよう心がけましょう。

③精神的ストレス

トレーニングや食事管理ができないことによる精神的なストレスもまたきんにくの減少リスクを高める要因の一つです。

ストレスを感じると分泌される「コルチゾール」が筋肉の減少に繋がることは広く知られています。
これは多くの研究でも見られている現象のため、筋トレを頑張る人ほど上手くいかない時のストレスマネジメントが大切です。

真面目に取り組んできた人ほどイレギュラー発生時にはストレスを感じるものですが、「トレーニングできない」「食事管理ができない」ことで「ストレスを感じる」という三重苦に陥るのはなんとしても避けたいところです。

筋肉量を守るための対策

体調不良時に筋肉が落ちる要因は「筋トレができない」「栄養不足」「精神的ストレス」の三つがメインでした。

これらはいずれも体調不良時に避けて通れないイベントなので「体調不良になるたびに筋肉量が減るなんて最悪じゃないか…」という声が聞こえてきそうです。

しかし、体調不良時もある程度対策をすることで筋肉量の減少を抑えることは可能です。
ここからは体調不良時に取るべき対策を解説します。

①悪化する前に休む

まず大切なのは休む勇気です。

とにかくこれが何より大切で、どんな体調不良も兆しがあるものです。
「なんか喉が痛い」「お腹の調子が微妙」などのちょっとした不調のうちに思い切って筋トレを休むのが最善策です。

筋トレは疲労や身体へのストレスが大きく、一時的に免疫を下げることが分かっています。
体調を崩し始めている時に筋トレを無理に行うとどうなるかは想像に容易いですね…。

筋トレができないほどの体調不良ではない時に休むのは勇気が要りますが、この勇気が1週間後の運命を左右します。
本調子ではない時に休む勇気をぜひ持ってください。

②消化吸収しやすいたんぱく質と糖質を摂る

先述の通り、筋肉量減少の要因に「栄養不足」があります。
これを防ぐにはもちろん栄養を摂るしかないのですが、その際には胃腸の負担が少ない食材選びが必要です。

体調不良時は多くの場合、消化器官の働きも弱っています。
そんな時に脂身を含んだ肉や乳製品など、消化吸収に時間を要するものを選ぶことはお勧めできません。

消化器官が弱っている時にそうした食材を食べてもうまく消化吸収できず、より一層内臓の不調が加速して治りが遅くなるだけです。

お腹の調子が不安定だと感じる段階では消化吸収しやすいたんぱく質と糖質をメインにした食材選択がお勧めです。

オススメ食材はこちら

③休むことを前向きに捉える

熱心な人ほど体調不良で筋トレを休むことにストレスを感じがちですが、それはストレスによる更なる筋分解を招きます。

ただでさえ体調面で筋肉が落ちやすいこの時期にメンタル面でも落ち込んでしまうと立ち直りに時間がかかります。
そのため休むことに対しての捉え方を前向きにできるようなマインドセットを常日頃から意識すると良いでしょう。

休むことでもたらされるメリットは以下のようなものがあります。

①トレーニング刺激への感受性アップ
②グリコーゲンレベル回復による復帰後の筋力アップ
③関節や腱の疲労回復
④神経系の疲労回復

このように、筋トレを休むことのメリットはそれなりにあるものです。
特に関節や腱,神経はトレーニングをルーティンにしている人は知らず知らずのうちに疲労を溜め込んでいます。

これらの疲労は1日2日休んでも回復するものではない為、たまに1週間クラスの長期の休みを取り入れる必要があります。
体調不良時をこうした器官の疲労を抜く機会として捉えることで休むことをポジティブに受け取れると心身により良い状況を作り出せます。

体調不良でトレーニングができなくなった時は「普段休められない器官を休める期間だ」と割り切ってみましょう。
上記の器官の疲労が抜けたことにより復帰後に調子が上がってくることもよくあります。

長期の休みは日頃酷使している器官を回復させられるチャンス

体調不良時は無茶をしないことが最優先

これまでの内容の通り、体調不良で筋肉が落ちる可能性は否定できませんが、休む時はしっかり休むことに徹していけば復帰後に更なる成長が待っているものです。

風邪やインフルエンザなど…さまざまな病気になるというネガティブなイベントは避けて通れない道ですがこれらを通じて休む重要性を再認識することも大切な経験です。

体調不良時は普段のルーティンが思うようにいかないストレスを感じるでしょうが、ストレスこそ一番筋肉を落とす要因になることは常に念頭に入れていただけたら嬉しいです。

この記事をご覧いただいている方へ。

この記事をご覧いただいている皆さまは、健康面に気を使い、食生活や運動習慣の見直し、フィットネスジムに通われている。もしくは、入会等をご検討されている健康意識の高い方々ではないでしょうか？

実際に、厚生労働省が、健康づくりのための身体活動基準・指針を作成し、生活習慣病予防のための運動を推進しています。

また、日本政策金融公庫が発表した消費者動向調査（令和３年７月）では、運動面や食に関する志向で、“健康志向”の方が多く年々と増加しています。

より皆様が、健康的で充実した人生を歩めるよう、誠意を込めて記事を執筆いたしましたので、どうか最後までご覧ください。

<その他資料>
※スポーツ庁の資料（新型コロナウイルス感染症の流行による国民のスポーツへの参画状況や意識の変化、健康状態等に関する調査研究（令和2年度））では、コロナ終息後のパーソナルトレーニングジムの利用者数は急増中。
※経済産業省の『特定サービス産業動態統計速報』の結果でも、フィットネスジム並びに、パーソナルジム利用者は数多くいらっしゃいます。